最近のトラックバック

2021年7月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

« もう解けた | トップページ | 郵政民営化ブラ »

2005.05.22

自由なソフトウェアとOmegaChart

 今回のOmegaChartの一件で、このblogもomegachart.orgのサイトもアクセス数が以前の2倍近くになった。ここにリンクを張った他のblogなどを読んで、ちょっと長文を書いてみた。
 OmegaChartが、他のいわゆるフリーソフトよりも強く寄付や貢献を求めるようにした理由の一つは、ソフトウェアの継続性を高めるためであった。継続性というのは、長期にわたって新機能追加やメンテナンスがなされるということである。
 もちろん、単純にソースコードも無償公開し、収益なし・責任なしのモデルを採用する選択肢もあった。しかしそうすると、他のことで忙しくなったり当初の情熱が冷めたりといった理由でプロジェクトが放置される可能性が高く、そのことが心配だったのである。
 他のオープンソースプロジェクトでも、ある程度の完成度まで達し、割と使われていながら誰も面倒を見ていない状態に陥っているものはたくさんある。僕の知っているその最たる例はTeraTermで、現在は平田さんたちの活動がなされているもののその前は放置状態であった。同様に、良い素質を持ちながら中途半端に放置されているソフトウェアはたくさんある。

 一方、ガチガチの商用ソフトウェアにして収益あり・責任ありでいくのも、既存のチャートソフトとの差別化に繋がらないので嫌であった。
 なので、その中間の収益少し・責任少しというスタイルで運営できないものだろうかと思い、ためしに今回やってきたような方針(積極的に寄付を募り、寄付をした人とそうでない人に少し差を与える)にしてみたわけである。多少なりともお金をもらえば、メンテナンスに対する自分の責任感も違ってくるだろうというわけでね。
 もちろん、そんな中間のモデルなどは存在せず、「なし・なし」「あり・あり」のどちらかしかありえないと考える人もいるだろう。しかし、今回の試みがうまくいかず変更を余儀なくされたとしても、別の「少し・少し」モデルを考えるための経験には少なくとも繋がるのではないかと思い、実行に移してみたのである。

 実は、そういう考えはずっと昔に「ネットに落ちているソフト」という表現を見たときに感じた違和感にさかのぼる。どんなソフトウェアでも作った人がいて、それなりの考えや苦労の結果公開されているわけだが、それを「落ちている」とあたかも自然物であるかのように扱うというのは作者に対する敬意がなさすぎると感じたのである。
 その点でいえば、「落ちている」ものであると扱う人が多量に発生することをなんとも思わない(少なくともプロジェクト運営やライセンス上は)GNUやApache Software Foundationの活動は非常に立派だと思う。僕はそのあたりの未練を捨て切れなかったというわけである。
 自由なソフトウェアの理念を保ちつつ、使用者には適度な負担と満足が、製作者には適度な報酬が同時に得られるような仕組みを作れるとよいのですがね。

 こういった話は、日本とアメリカの寄付文化の違いとか、オープンソース開発者の7割はヨーロッパ人・7割が25歳以下という話へ繋がっていくのだが、今日はこの辺で。

« もう解けた | トップページ | 郵政民営化ブラ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 自由なソフトウェアとOmegaChart:

» すばらしいフリーソフト OmegaChart [Yatao.net]
大変質のよいフリーソフトを紹介します。 OmegaChart 第1回カブロボ・コンテストで野村総研特別賞を受賞しているだけあって、自分の所有しているAlphaChartと同等かスクリーニング機能、 [続きを読む]

» スイングトレードにOmega Chartを使用する [マネハンギルド]
トレードで勝つには優位性のある手法が必要であるが、証券会社のトレーディングソフ... [続きを読む]

» チャートソフト [ころぽっくるの株日記]
ぼくが今、チャート分析するのに利用しているのが、この[http://www.omegachart.org/ Omega Chart]というソフトです。 このソフトすばらしいです。 今まではAccessとExcelを使って、チャート分析をしてたんですが、 このソフトの存在を知ってからというもの、すっかりとりこになってしまいました。...... [続きを読む]

« もう解けた | トップページ | 郵政民営化ブラ »