最近のトラックバック

2020年3月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 【書評】ビジョナリー・カンパニー | トップページ | 【書評】テヅカ・イズ・デッド »

2005.10.21

スラムダンク盗用問題

 ここ数日、3年前に書いたSSHの実装のコードをリライトしているんだけれども、意外と記憶は残っていることに我ながら驚き。ああここで妙な現象に出くわしていたなー、とかはっきりと思い出す。

 さて、やや長文になったがやっぱこれには言及しなくてはなるまい。もう有名になったけれども、由々しき問題ですよこれは。

 事件の概要としては、この記事のとおり。

講談社から出版されていた少女漫画に、「スラムダンク」などと酷似したシーンが登場すると「2ちゃんねる」で指摘があり、同社は盗用を認めて単行本の絶版・回収を決めた。

 とのこと。
 まあ、この検証サイトを見ると、道徳的にはクロなのは間違いない。この人は作家としては恥ずかしい行為をしたのは確かだ。しかし一方、この程度では著作権法違反ではないのも確かで、法的にはシロだ。
 でも、友人の漫画原作者も言っていたが、ここまで露骨じゃないにしろ多少の真似(最近流行りの言葉でいえば「インスパイヤ」だ)は誰でもやっていることのはずだ。一般の作家とこの末次由紀との境界線は定かではなく、当の本人には出版社によって「全作品の絶版」になってしまった。

 本来、そのあたりの曖昧な業界ルールに線引きをすることこそが出版社(特に講談社のような大手の)の仕事だと思うわけだが、それをこうやって「そんな作家は最初から世の中になかったことにしてしまう」という処分が正しいとはとても思えない。きわめて良くない前例を作ってしまった。
 そうすると、どんな作家のどんな作品でも、「有名作家に目をつけられた」「2chで騒がれた」といった理由で簡単に葬られてしまうわけですよ? 別に井上雄彦の利益を侵害したわけでもないし、業界全体としては明らかにマイナスの効果しかない。
 今回の件がいきすぎた例であるのはわかるが、何も明確な根拠が示されないまま、このように作家としては極刑といっていい処分が下るのは納得いかない。

 実はこの問題は、漫画に限ったことではない。例えば、過去に自分が実際にやったことだが、あるJavaのソースコード(公知のアルゴリズムを実装したもので、著作権はもちろん存在する)を、意味を変えずにC#に書き換えて流用したことがある。これも状況的にはよく似ていて、道徳的にはあまりよろしくないがそれ以上のことはないという問題だ。
 こういう形であるならば、個人的には流用は許されるべきだと思うし、逆に誰かが自分のコードを流用しても問題視はしない。むしろ感謝したいくらいだ。
 もちろん小説や映画にしたってそうだろう。何を創作している人であれ、過去に見聞きしたものの影響は免れないのだから、100%のオリジナルというのはありえない。

 ではどういうルールを作ればいいのかとなると残念ながらこれといったアイデアはないが、とにかく今はこの講談社の対応はあまりにまずい、ということだけしか言えない。僕は漫画は好きだし、著作物に関わる活動をしているわけだし、他人事だと思ってはいられない問題ですよ本当に。

« 【書評】ビジョナリー・カンパニー | トップページ | 【書評】テヅカ・イズ・デッド »

コメント

私も同じようなこと考えました。
描き手側として、考えるところがありましたよー
漫画における絵というのはあくまで読者にストーリーを伝えるための記号であって、それ自体に作品的価値のあるものではないと私は考えています。(もちろん完全に無視するわけにはいきませんけど)
特にバスケなんて、見せ場は似てくるのは当たり前なのでは・・とか思ったりして。
太ったカーネル似監督の監督と赤毛の不良がバスケを頑張る漫画を描いたならそりゃ責めたくもなるけど…どんなに絵を真似たところで、rosarioさんのおっしゃるとおりオリジナルの価値は変わらないのですから。
まぁ絵の模写は、作家の怠慢だと思いますけどね!
描写方法に既存の漫画を参考にするのは、皆やってることですけど。
長くなりました。
とにかく、他人事じゃないですね。

少し古くなるけど、車田正美という漫画家の漫画は、ほとんど盗作ですね。しかも同じ集英社の過去の漫画と酷似したシーンやストーリーを、まったく悪びれることなく使っていました。

しかし、その経験の中から「セイント・星矢」という純粋なオリジナルが生まれたと私は考えています。

まあ、これも程度、分別の問題。
出版社側も勉強して気を配るべきでしょうね。

漫画に限らず、最近の出版は何でもありの感がありますが・・・

私は違う意見があります。
と、いうのも講談社の対応は仕方なかったのではないかと思います。

よくblogを読んで他の作家さんは処分しないのは卑怯、と仰いますが今回の一件で他の作家まで処分すると講談社だけに留まらず出版社業界全体を巻き込む大騒動に発展すると思います。下手すると漫画だけでなく小説、アニメ、映画業界にも影響を及ぼす可能性もあります。日本の文化産業が未曾有の大混乱になるんじゃないかと。

こんなのトカゲの尻尾切りで道徳的にどうか、というのは確かにそうですが今回の状況を考えると即日対処したのは即座に風化させる必要があると感じたからだと思います。
だからこその即日対処という滅多にない素早い対応を迫られたと思っています。
どこまでも講談社一社で済む問題だったら良かったんでしょうけどね。

あと、末次由紀さんは同じ別冊フレンドの上田美和さんの漫画も盗作しており、上田さんはしらをきられ相当憤慨したようです。
井上さんの話はともかく、同じ雑誌の作者が憤慨した事に対してはどうでしょうか?

そういえば気になったんですけど、
>一方、この程度では著作権法違反ではないのも確かで、法的にはシロだ。

親告罪なので裁判で罪になるかは別の話で、著作権は立派に侵害してますよ。
マックロです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: スラムダンク盗用問題:

» マンガ家の描写盗用問題 [ゲーム会社多種多様]
問題まとめているサイト「漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証」様 たけくまメモ様より いろいろ話題になってますね。 こちらの業界とも全然関係ないわけではない話題なので書いてみます。 私はたけくまメモ様と同じ意見です。 確かに許される行為ではないんですけどね…。 ゲーム業界でもこういう問題は多発しています。 有名というか個人的によく覚えてるのが、 ☆コナミとジャレコの問題 ☆カプコンとデー... [続きを読む]

« 【書評】ビジョナリー・カンパニー | トップページ | 【書評】テヅカ・イズ・デッド »