未踏ソフト秘話
ひきつづき未踏の話。
ルール上、採択への手順は次のようになっている。
応募者が、IPAの選定した12人のプロジェクトマネージャ(以下PM)から1~2人選び、応募する。
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各PMは、集まった応募の中から書類審査し、通った人の中から面接する
↓
PMが審査結果をIPAに報告し、最終決定
つまり、最初の「PMを選ぶ」のはこちらの選択権なわけで、ここはよく考えないといけない。PMは大学関係者が多いが、かのアラン・ケイまでいるという豪華な顔ぶれ。
そこで、僕はすべてのPMについて、応募者向けに公表されているコメントだけでなく、前回の審査でどのようなものを採択したか、過去の経歴や研究テーマは何かを全部調べ、今回のテーマに最も興味を持ちそうな人を慎重に選んだ。(もうこれだけで丸一日の作業)
そこで白羽の矢が立ったのが今回のPMである東工大の千葉先生であった。
で、そういう興味にアピールできるように申請書類を準備していった。何しろ面接時間は限られているので、相手が既に詳しい分野をベースに、何を目的にしているかを事前に文書で説明しておく必要がある。同じことでも切り口によって言い方はいろいろだからね。この文書作成も、他の人のレビューを交えつつ丸3日くらいかけた。
なので、今回うまく結果が出せたのは、もとのネタもさることながら、作戦をきちんと立てた効果が大きいはず。
まあ何が言いたいかというと、この手のプレゼンテーションでは、つい「どうやって自分を相手に理解してもらうか」を考えがちだけれども、コツはそうではない。
まず、「相手にとって理解しやすく好感の持てる自分の像」を設定し、次に「自分がその像そっくりに見えるように演出する」という手順が正しいのだ。もちろんウソはついちゃだめだけど、何をどう語るか、という工夫はいくらでもできるからね。
とまあ成功裏に終わったのでこんな偉そうなことが書けるわけですがね。
落ちてたら恥ずかしくてとてもムリ!
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