【本】9条どうでしょう
今日の相場は凄い動きだった。久々に手のひらから汗がいくらでも出てくる展開。午前の急落ではいくつか投げを余儀なくされたものの、午後はあくまでも強気で臨み午前の損失の150%くらいを取り返しました。
さて、毎回ワールドカップの時期になるとナショナリズムについて嫌でも考えるわけだけど、この「9条どうでしょう」という本はそれに絡んでたいへん面白かった。特に内田樹さんの文章は電車内で笑いを堪えてばかりだった。
でも真面目な話、いままで改憲派だったけどこれを読んで護憲派に転向しました。
護憲といっても、別に平和憲法の理念が素晴らしいからではなくて、次の2つの理由。
【憲法は理想を記したものにすぎない】
勤労は憲法に定められた国民の義務だが、「ニートは違憲だから強制労働させろ!」とはならない。有名な「健康で文化的な最低限度の生活」が送れていない奴は皆一人二人は身近に知っているでしょう? 表現や思想信条の自由だって現状怪しいもんだ。
憲法は「理想的にはどうあるべきか」を書いたものであるから、9条と自衛隊が矛盾していてもそれは別に問題ではないのだ。その矛盾を正さなければならないのなら、9条以外のいろいろな矛盾も同様に対処せねば筋が通らなくなっちゃうし。
【現実的には日米安保条約は9条より強力】
仮に改憲し、自衛隊が日本軍に昇格しても、今の情勢から考えて軍事行動においてアメリカの指図から離れられるわけがない。むしろこれまで以上に危険な任務が与えられるだけだろう。
一方戦争放棄を貫き、どこかの侵略を受けたとしても、一応アメリカが撃退してくれることになっている。唯一問題になるのは、侵略を受けたにも関わらずアメリカが日本を見殺しにした場合だが、そのときは凄いことになるよ。
もう他国を一切信用せず、裏切った国への復讐を果たすためにすべてを投げ打つ危険きわまりない国になる。日本人にはそういう忠臣蔵的世界観がマッチするものだし、そういった団結をすることができる民族なのは日清・日露・太平洋戦争で証明済みだ。
これらの戦争では2勝1敗(勝ち点6)だったけど、もう1戦やることは誰も望んではいないだろう。従って安保条約は9条とは関係なく守られる。
結局、感想としては少なくともアメリカが世界史的に凋落するのがはっきりするまで9条はこのままでいい。そんなことより日本は財政・社会保障が崩壊寸前なんですから。
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