Poderosa新バージョンリリースとその周辺
今日Poderosaバージョン4.1.0をリリースした。
今回の目玉はSSH AgentForwardingで、要望の声が比較的多かった(ML/直接の依頼/2ch含めて)のと、PuttyやTeraTermとの対抗上有用と思われたので自分ではまず使わないにもかかわらず頑張って実装した。しかしそのことを感謝する声が一人として聞かれないのは正直ムッとしたぜ。それほど本気でほしいわけじゃなかった、ってことかね?
この一件をはじめ、最近思うのは持続的に活動するオープンソースプロジェクトはもう企業の人的・金銭的支援がないともう無理なんじゃないかということだ。特に日本では。
一般に、オープンソースの動機としては「開発者自身が必要なものを作る」、報酬としては「他のメンバーとの連帯」「名誉」の2つが大きいだろう。でもある程度完成度が高まると自分で必要と思うものはなく、御用聞きに徹するようになってしまうし、メンバーだってそう増えるものではない。実際、Poderosaもバージョン4系列をやっていたここ半年で、それらしい活動が公開されてるのはこのルータ管理用プラグインを作ってくださってる人くらいのものだ。
そもそも、日本人が主導してるプロジェクト自体少なすぎるものな。GDP世界2位にしてはお粗末すぎる。せいぜい、「○○ユーザ会」「○○日本語化プロジェクト」ができる程度だもんね。こうなってしまう要因もいろいろ考えたけど、最大のものは恥をかくことを極端に恐れ、自己主張を控えることを美徳とする日本の文化的気質なんじゃないかと思うようになった。Poderosaについての感触では、ユーザあたりのフィードバック量は日本人は英語圏の1/3以下だ。開発者に日本語で連絡できる環境でありながらこのありさまなんだから、英語圏で運営されているプロジェクトに参加するのはもっと難しいだろう。
この謙虚な気質自体は決して嫌いではないが、オープンソース活動には明らかにマイナスだよな。
まとめると、開発と運営のコストを個人ベースの自発的活動で負担するのはすぐ限界が来る、ということだ。そうそう開発者の熱意は持続しないし、一方ユーザにも、ちょっとした修正のためだけに膨大なソースを読みこなし実装・テストする手間を強いるのは無理だ。
すると、企業の肝入りで運営する第二段階に以降せざるをえないんだが、これも難しい。アメリカでは特にIBMやSunががんばってるけど、これはマイクロソフトに対抗するため企業戦略上やむなくやっている面もあるからね。日本企業にそういう立場を求めるのも難しい。NECや富士通がどんどん有用なプロジェクトを立ち上げるようになれば僕のような立場からは夢のようだが、現状あまりに非現実的だ。
オープンソースならではのフットワークの軽さと、大企業のソフトウェアのような信頼感・継続性を両立するのは難しい。ま、そもそもオープンソースなるものがうまい仕組みなのかどうかも全く結論は見えていないし、今見えるものではないからね。共産主義だってかつては魅力的な社会システムだったけど、誤りであることを証明するには80年もかかったわけだから、オープンソースが正しいかどうかもまだまだ闇の中と思っている。
...と長文を書いたところで、明日から鹿児島県・霧島温泉でくつろいできます。飛行機は行きだけファーストクラス(ANAのスーパーシートなんとかというやつ)、宿は5部屋しかないリッチなところ。費用はけっこう張るけど、実は今日の相場の収益だけで全部出ちまった!
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73665/12782283
この記事へのトラックバック一覧です: Poderosa新バージョンリリースとその周辺:




コメント
おぉ!!
いつの間にかPoderosaでAgentForwardingできるようになってたんですか!!
PoderosaはAgentForwarding機能がなかったのでputtyから乗り換えられなかったんですが、これで乗り換えられます!!
実装お疲れさまでした:-)
投稿者: 磊 (2006/11/24 21:49:21)