料理人とエンジニア
昨日神楽坂の虎白という店で飲んだときに、人生の先輩から出た話。
世の中には旨いものを出す店は数あるが、ネタの良さで決まってしまう料理というものがある。典型的には刺身や寿司で、これは料理の腕前ではなく築地にコネがあるかどうかで決まってしまう。もちろんそういうのも旨いけれどもそれは普通に旨いだけだ。本当に客を唸らせるのは、普通の材料を使って味と意外性で高いレベルに達した料理である。そういうのが料理人の腕の見せ所だし、高い店に来る客は素材の良さだけで旨いものは大抵過去に経験があるので飽きてしまう。
起業でも同じで、たまたま官庁や銀行や通信キャリアのような客を持つコネがあれば、別に自前のアイデアや技術がなくても食うには全然困らない。中抜きして別の下請けに出すだけでもずいぶんと儲かってしまうからな。(みなさんの周りにも、これといった技術や人材がないくせにポジションの良さだけで儲けてる会社の1つや2つあるでしょう?)
でもエンジニアとしてはそれではダメで、「普通の材料を使っていい味を出す」アイデアとスキルで勝負すべきだし、それはエンジニアとしての満足感のみならず客にとっての意外性と満足感にもつながるはず、ということだ。
そういう点では、料理人の世界とエンジニアの世界は通じるものがある。いいコネがあるとついそれを使って楽をしたくなるが、それでは成長がないし、必ず後で新興の若い勢力に負けてしまう。
目先僕にとっての開拓地はiPhoneなんだけど、ちょっと最近研究が止まってる。夏に出る新バージョンのAPIも早く探求すべきなんだけどな。家に帰ると娘の相手するだけで寝る時間になってしまうんだよなこれが...。
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