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2009.08.31

マネックスJoo

 今度こそ正式発表です。
 Tacticoの次なるEditionはMonex Jooです。プレスリリースにはラガルト社とは一言も書いていないし、VisualStudio風のドッキングウィンドウを採用したためこれまでとは使用感もかなり変わっているので別物に見えるかもしれないけれども、これのクライアント側のコードはほとんどが僕の書いたものです。

 いろいろ事情があって(といってもその80%は「時間的余裕がない」に尽きるんだが)、Tacticoの個人向け版は今や相当手抜きになってしまっているのが既存ユーザには申し訳ない。
 でもまあ、証券会社と組んだほうが、ツール上で直接発注できるしリアルタイムデータはバンバン取れるしプロモーション活動はお任せできるし金銭的にも(少なくとも短期的には)好条件なので、やはりこちらを優先せざるをえないのです。

 地道に個人ユーザの声を拾って機能改善していくのももちろん大事なのだけれども、それだけで「メジャーデビュー」は難しい。

 でもまあ、証券やFXの会社を主要顧客としていながらこんなことを書くものアレだけど、どの会社を使っても「効用」としてはほとんど差がないのだよな。ドル/円はどこで取引してもドル/円で、スプレッドやスワップポイントの差が多少あるにしてもさほどのことはない。
 そこが「周辺機器」のつらいところだ。PCの世界に例えていえば、ハードディスクやメモリは規格が決まっているからどのメーカーのを使ってもよいのと一緒である。この世界では、規格を自分で決めているところでないと利益は出ないようになっていて、要するにインテルとマイクロソフトが巨利を手にしたわけだ。これは歴史の教訓。

 相場の世界でも、PC市場に比べれば小さいだろうけど似た構造があるはずで、最終的に楽に商売ができるのはエンドユーザが直接触れるものを使うものを作るところと、替えのきかない中央部(株の場合なら東証)だけだと思うわけです。まあ東証はほとんど役所なので商売じゃないけどね。

2009.08.24

最近読んだ本

 最近読んだ本で。
 「プログラマーのジレンマ」は、「チャンドラー」というグループウェア風のソフトウェアを開発するプロジェクトの失敗物語だ。まあ失敗する要素はふんだんにあるし、帯にあるような「もうひとつの人月の神話」というほど古典的作品にはなれそうにもないが、物語としては面白いしプロジェクトマネジメント全般についての章はポール・グラハムやジョエル・スポルスキーのエッセイ級に面白かった。

 僕の経験では、どんなものであっても、イチからソフトウェアを作るときリリースまで崩壊せずにいられる条件は3つある。

●中核部分は3人以下で実装されること
 これ以上多くても船頭多くして何とやら、になる。もちろんテストやドキュメントを入れればこの限りではない。
●プロジェクト開始時に、半年以内にバージョン1は完成しそうな機能デザインにすること
 機能が収集つかないというよりも、これ以上長い時間がかかるとメンバーの心変わりがあったり有力な競合が出現して路線変更を迫られるリスクが高いことによる。
 ただ、「最初は半年以内にできると思ったがやってみたらそれ以上かかった」という結果になることは充分ありうる。Tacticoだってそうだ。
●ソフトウェアが、開発者自身の問題を解決することを目的としていること
 そうでないと、どんな機能が優先的に必要なのかがわからなくなってしまう。

 これは個人や小規模な会社でソフトウェアを作る場合は鉄則と思います。

 もう一つは「新装版・闘うプログラマー」。
 闘うプログラマーは僕のバイブルのようなもので、大学生の時に最初に読んで以来毎年1回は読みなおしてるくらい重要な本だが、新装版が出たということでうっかり買ってしまった。
 学生当時は、将来は物理学者になるかソフトウェアで実業をやるかで非常に迷っていたのだけれども、これを読んで「現場でコードを書く」方向にシフトしたのである。
 しかしマイクロソフトはこのころの輝きがずいぶん失われてしまった気がする。MSDNを貪るように読んでいたころが懐かしい。

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