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2009.08.24

最近読んだ本

 最近読んだ本で。
 「プログラマーのジレンマ」は、「チャンドラー」というグループウェア風のソフトウェアを開発するプロジェクトの失敗物語だ。まあ失敗する要素はふんだんにあるし、帯にあるような「もうひとつの人月の神話」というほど古典的作品にはなれそうにもないが、物語としては面白いしプロジェクトマネジメント全般についての章はポール・グラハムやジョエル・スポルスキーのエッセイ級に面白かった。

 僕の経験では、どんなものであっても、イチからソフトウェアを作るときリリースまで崩壊せずにいられる条件は3つある。

●中核部分は3人以下で実装されること
 これ以上多くても船頭多くして何とやら、になる。もちろんテストやドキュメントを入れればこの限りではない。
●プロジェクト開始時に、半年以内にバージョン1は完成しそうな機能デザインにすること
 機能が収集つかないというよりも、これ以上長い時間がかかるとメンバーの心変わりがあったり有力な競合が出現して路線変更を迫られるリスクが高いことによる。
 ただ、「最初は半年以内にできると思ったがやってみたらそれ以上かかった」という結果になることは充分ありうる。Tacticoだってそうだ。
●ソフトウェアが、開発者自身の問題を解決することを目的としていること
 そうでないと、どんな機能が優先的に必要なのかがわからなくなってしまう。

 これは個人や小規模な会社でソフトウェアを作る場合は鉄則と思います。

 もう一つは「新装版・闘うプログラマー」。
 闘うプログラマーは僕のバイブルのようなもので、大学生の時に最初に読んで以来毎年1回は読みなおしてるくらい重要な本だが、新装版が出たということでうっかり買ってしまった。
 学生当時は、将来は物理学者になるかソフトウェアで実業をやるかで非常に迷っていたのだけれども、これを読んで「現場でコードを書く」方向にシフトしたのである。
 しかしマイクロソフトはこのころの輝きがずいぶん失われてしまった気がする。MSDNを貪るように読んでいたころが懐かしい。

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