人材獲得作戦・3 の追記
土曜のエントリは予想以上に大きな反響だった。
このblogでの「はてブ」の数のトップは長い間、むかしの都知事選近辺で外山恒一に会ったときのものだったが、その3倍以上にのびた。
もうちょっと書き足したいことが出てきたので追記。
●試験問題の内容について
1月上旬ぐらいで公開するよ。
実はこの問題は1年かそこら前に、後輩と酒飲んでいるときに教えてもらった問題で、プログラミングの素養を見るのに適していると思ったからです。他の問題も検討したけれど、難しすぎたり簡単すぎたりでなかなかちょうどよいものがないので使わせてもらった。
もちろんFizzBuzzよりは難しいですよ。
●「自腹で給料を払う」ということ
いろいろコメントがついた中で、最も意識の差が大きいだろうと思ったのはここだ。
僕のように自営業的にやっている人にとって、従業員の給料というのは事実上自分の資産から払っていることになる。しかも一度雇うとなったらその本人のみならず場合によってはその家族の生活まで面倒をみることになるんだし、ビジネスがうまくいかなくなったから払うのをやめるというわけにもいかない。
この、自腹で給料を払うということの重みは体験しないとわからない。僕もサラリーマン時代には1ミリも分かっていなかった。
ジョエル・スポルスキーの本に書いてあったけど、「優秀な人を誤って不採用にしてしまっても現状維持になるだけだが、ダメな人を誤って採用してしまったときの損失は比較にならないほど甚大」なのだ。
そりゃ応募者がゾンビに見えてくるのは当然です。
●「パズルでは実力は測れない」という意見について
問題の内容を書いていないのでいろいろ憶測を呼ぶのは仕方ないが、ちょっとしたアルゴリズムを考えて実装するというのはプログラマの基礎体力です。
例えるなら、プロサッカークラブが選手を採用するにあたって100m走をやらせてみるようなものだ。もちろんサッカー選手の実力は100m走で決まるものではないが、もし100m走るのに20秒かかるとしたなら、それだけでプロとして失格なのは明らかである。
今回僕が出した試験を3時間かかって正解できないというのは、そういうフィルタです。
●人集めの本筋
今回広告を出してみた目的の半分は、僕が一般の転職市場のレベルを知るためだった。なので最初から、誰も採用できなくても不思議ではないと思っていた。
やはり少人数でやっている人が規模を拡大しようと思ったら、同じく少人数あるいは自営で似たようなことをやっている人を見つけ、ある程度仲良くなったら「同盟」を結び、さらに関係が進展したら「合併」にすすむというやり方が本筋だろう。
いまいる仲間もそうやってできたものだ。
そういう仲間はたまにしか見つからないが、一度見つかれば大きな財産になるのだ。
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» 一阿の 「普通の気持ち」 5 [ガラス瓶に手紙を入れて]
我々は戦争に負けたのだ
そして不連続に狂気から狂気へ移行した。
戦前から戦後へと。
明治のように武士道を心棒にした国民生活ではなくて、
西欧の道徳を心棒にした借り物の民主主義を唱えて砂上の楼閣を築き経済大国とか軍備は世界第二位とか言っている。 [続きを読む]
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どうせやるなら、金貰わないと損だろwww
http://nyanyanyan.com/u1/bxi6dcx
投稿: らい | 2009.12.28 16:32
早く試験問題見てみたいです
投稿: Ataro | 2009.12.28 17:15
後輩が教えてくれた…って、もしかして私が教えたあの問題ですか!?
うちらの入社試験問題に使えないじゃないですかw
投稿: 後輩 | 2009.12.28 18:01
なんか批判的な意見が多いようですが、一開発者として参考になりました。
一応僕もプロとしてやってますが、貴方のブログを見てると自分もまだまだだと実感します。
試験問題楽しみにしています。
投稿: kanno | 2009.12.28 21:29
「仲間」じゃなくて「部下」が欲しいんでしょ?
そりゃ仲間は楽ですよ、指揮しなくて良いから。
で、将来やろうとしてる事って、そんな人数で出来ることなんでしょうか?
>ある程度仲良くなったら「同盟」を結び、さらに関係が進展したら「合併」にすすむというやり方が本筋だろう。
大間違いだと思いますよ。
そんな仲良しグループのロジックだけで集団が動くと思ったら大間違いです。
責任の所在が曖昧になるだけですわ。
投稿: 猫 | 2009.12.29 00:13
マネジメントについて、知らなすぎる感じですわ。ほんとに。
ものごっつい嫌みなんで書くのもなんですが、
前回のエントリにあった台詞で言うと
「こんな人が有望なベンチャー経営者だとか名乗ってるから、ベンチャーというものがうさんくさい目で見られるんだ」と返しておきます。
あなたが厳しく言った出来ないプログラマさん達は、経営者としてのあなたの姿ですよ。
自分の得意な分野は出来るのかもしれない、視野の狭い自信家さんたち。
まぁ、腕の良い職人さんが、自分の知らない技術を無意識に軽く見るってのは古今東西良くあることなので、そんなに珍しい事でもないですけど。
投稿: 猫 | 2009.12.29 00:23
経営者として、自分の必要としている適正を見るというのは
確かに道楽でやっているわけではないだろうから
それはそれでかまわないと思う。
ただ、経営者としてこういったことをこういったブログに
口外して得なことあります?
仮にこの会社がこの先大きくなった場合、もしくは
上場した場合など、「以前この社長こんなこと言ってたぜ」
と、これに限らずこのブログに書いてきたことを言われても
「正論だから問題ないでしょ?」と断言できます?
ゲイツやジョブズなんも(その有能さ故か)部下を罵倒する
とかいう話を聞きますけど、それはあくまでも会社内で出来事で
こういう風に不満を口外しているわけではないでしょ。
みんな意外とこういうことを覚えているものです。
ちなみに有名大学云々というのは傾向で言えば
そんなものかと思いますが、常識という観点で言えば
不等号は反対になりますね、経験上。
投稿: | 2009.12.29 00:29
> 経営者としてこういったことをこういったブログに
> 口外して得なことあります?
一読者からすると、とても参考になる
エントリでしたけどねえ。
少なくとも、「不満を撒き散らしている」
という印象は受けなかったです。
選定方法は極めて合理的だと思いました。
投稿: @ | 2009.12.29 10:10
>経歴書や自己PRが自信満々でありながら
>特に試験の出来が悪い数名にはさすがに
>腹が立ったので、不採用通知のメールに
>つい厳しいことを書いたら、
いくら、腹が立ったとしても、応募者に
厳しいこと書くのはやめてくださいよ・・・
彼らも必死なんです。心が折れます。
とはいえ、とても面白いエントリであることは確かです。
投稿: | 2009.12.29 18:01
これは的を射た言葉ですね。
> ジョエル・スポルスキーの本に書いてあったけど、
>「優秀な人を誤って不採用にしてしまっても現状維持に
>なるだけだが、ダメな人を誤って採用してしまったとき
>の損失は比較にならないほど甚大」なのだ。
あと、応募者に良くない部分を厳しく指摘してあげる
のは、優しさだと思います。
誰も指摘しないとダメなまま、5年、10年と過ごす
人も多いでしょうから。
全く違う業界にいますが、試験問題の公開楽しみにしています。
投稿: かーくん | 2009.12.30 09:32
応募者の能力を測るだけなら、このレベルで良いんじゃないでしょうか。
http://s-check.net/
単純に能力知るだけなら、ベンダー系の資格のレベルだけで評価してもいいと思いますよ。(当たり前だが、学歴よりも正確だ)
投稿: ひまひま | 2009.12.30 19:06
まだ試験内容を見てないから、判別はできないがrubyやphpであればパズル系は苦手だと思いますよ。
投稿: ひまひま | 2009.12.30 19:16
スーパープログラマを自称するなら、
上に上げたスキルチェックについては、
当然、一位で更新するはずだよね。
楽しみに待っています。
投稿: ひまひま | 2009.12.30 19:40
http://ameblo.jp/toyamakoichi/entry-10407047921.html
>街頭景気が回復してきた(というより単にいいポイントを発見しただけだが)こともあって、珍しく勤労意欲が湧いている。
>私の仕事スタイルはちょっと変わっていて、ストリート・ミュージシャンとはいっても普段は実はほとんど歌っていない。
>街頭に出ている時間のうち大半は、目の前を通る酔客たちに、「1曲どうですか、何かリクエストないっすか、幅広くやってますよ」と声をかけ、引っかかった(?)人が「じゃあ何々を歌ってくれ」と云ってきた時点で初めて歌うのである。
こんなの「革命家」でもなんでもないな。。。。
ただの貧乏路上ミュージシャン。
しかも、39才にもなっても、塾生の食費を稼ぐために「働く」路上ミュージシャンwwww
もう、いいからさ、外山、もうさっさと死ねよ。
http://openwiki.netii.net/index.php
投稿: ウェルダン穂積 | 2010.01.01 17:16