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2010.02.05

探し物がヘタな件

 実は僕は探し物が超ヘタである。
 数日前に、妻から「冷蔵庫から納豆を取ってきて」と言われ、たっぷり1分以上冷蔵庫の扉を開けたまま考え込んでいたのでひどくあきれられたというのがあった。もちろん、納豆は隠してあるのではなく、(わかってしまえば)目の前においてあるのだが、僕の目には視界には入っていてもそれが納豆だとは認識できないのである。

 まあ似たようなことは子供のときから毎日のようにあるのだが、さすがに自分でもこれはかなりひどい部類と思うのでどういう思考をしていたのかゆっくり思い返してみた。
Natto

 すると、納豆と言われて頭の中でイメージしていたのは、左の(A)の状態だった。白いパックがむき出しの状態。
 ところが実際には、納豆はカバー付きの(B)の状態で冷蔵庫に入っていた。

 納豆と言われた時点で「白くて四角くて平べったい物体を探す」という思考で頭の中がいっぱいになるので、そうではない(B)が視界にあっても気づかないのだろう、というのが僕の推測だ。(推測できても問題は全く解決しませんが)

 言い換えれば、探している対象とは関係がないものを排除し、狭く深い思考にはまりやすい性質があるのだろう。
 プログラミングのような作業では、この「狭く深い思考」が得意なのはたいへん役に立つし、まさにその能力でメシを食っているのだが、日常生活には不便な点もある。
 「目の前にあるのに気がつかない」、というのはけっこう恥ずかしいのです。

 この欠陥は自分で認識しているので、一生車を運転することはないでしょう。そもそも免許がないが、運転できたところで事故を起こすのは目に見えている。

 そういえば、Wikipediaのジョン・フォン・ノイマンの記述でも、

何十年も居住している家の棚の食器の位置すら覚えられなかった他、1日前に会った人物の名前すら浮かばなかった。興味がないものに対しては全く無関心であると評された。

 というのがあるので、方向性としてはこれに近い。
 さすがに僕はここまでひどくないが、もちろん狭く深い思考力においてはフォン・ノイマンにかなうはずもないので、僕は平均的な人とフォン・ノイマンの中間にいる、ということか?

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コメント

もしかして小さい頃から他人より出来ることと出来ないことがはっきり分かれていたのではないでしょうか。
良くも悪しくも“特異”な人間なのかもしれませんね。

むしろ、シニフィエ←→シニフィアンの関連づけの問題のような気が。

プログラム言語という、一次的な意味では一対一の対応しかしない「記号」に慣れすぎて、画像情報に対するリンクのチャンネルが減少したんでしょうか……

絵描き関係の仕事をしている人だと、これと逆の現象を良く聞きます。
あと、タクシーの運転手とか。
一枚の絵からの短時間での連想能力は凄まじいです。

まぁ、脳の用法が自分の仕事に特化しているという意味で言うと、あんまり特殊なことでもないですよ。
たいていの人の脳は自分の日常にあわせて調整されていますから。

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