前回に関連して独立の話を補足したくなりました。
過去の経験からいって、自分も含め、独立している人とサラリーマンの人の最大の違いは、仕事を「純粋に楽しんでいる」か「つらいけど、お金を得る対価として仕方なく受け入れている」かだと思います。もちろん全員がきれいにあてはまるわけではないが、傾向としては確実にある。
結局人が生きる意味は日々が楽しくて充実しているかどうかに尽きるわけだから、仕事であれ何であれ、何かを嫌々やる、というのは精神的に損ではないかと。それよりも、やりたいことを存分にやって、自分の能力の100%を常に効率的に絞り出すような仕事をやったほうが「楽しくて稼げる」のでは、と思ったのが独立した理由のひとつでした。
ソフトウェアを作る腕だけは自信があったし、もしダメならまたサラリーマンに戻ればいいだけの話なので特に何を失うでもないわけだから。
一応いまはその計画はある程度成功して(途中では危ない局面もあったが)、今は楽しく仕事しているうえに稼ぎは数倍になったのだからそれは他人にも勧めたくなるというものです。いまの僕の従業員も、いつかは独立してほしいと思っているくらいに。本当にサラリーマン当時は世の中のことを知らなさすぎた。
とくにソフトウェア業界では、優秀な1人は平凡な10人をあわせたよりも価値があるものだし、あまり大きな人数がいると優秀な人であってもそれだけで極端に非効率になるし、作りたいものを作っているかどうかでパフォーマンスが何倍も違うし、という特徴があるので独立するメリットは大きい。
なのでいわゆる「安定志向」というのがどうにもこうにも理解できない。
20年前にJALに入った人は自分は安泰だと思っただろうけど実はそんなことはなかった。
10年前はAppleは瀕死状態だったし、Googleもあまり知られていない存在だった一方、マイクロソフトは当時からは考えられないほど勢いがない。なので10年後に安定して有名な会社というのは、今はまったく予想もできないところのはずだ。
何しろこれだけ不透明な世の中なんだから、個人の技能を磨く以外に頼れるものはないというスタンスは必要でしょう。組織に「飼われている」だけの人になったらおしまいですからね。
最近妙に坂本龍馬が人気があるのも、組織に属さずに自由に生きることへのあこがれがあるからではないかと思います。
しかし一方、以前入社試験をしたときに集まってきたような、ありえないほどダメなプログラマが世の中にはかなりの数いることも事実なので、そういう人は相応の仕事を与えてくれる会社を探さないと生きていけないようにも思うので難しい。僕の感覚だと正直なところ、あのとき応募してきた人材の8割は、無給であっても雇いたくないレベル(足手まといになるだけ)だったんだよな...
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