悪い前例
久々の更新。第二子が産まれたあと何かとドタバタするようになりました。さらに自宅を引っ越すことにしたり(広さ・家賃とも今の1.8倍くらいになります)、まだしばらく忙しい感じです。
ところで、今回の浜岡原発の件はかなり嫌な予感がする。「要請」という名だが実質的には命令で、法的根拠が曖昧なのは非常にキビしい。しかも世論はかなり賛同しているのがやばいと思う。たしかに今回のことだけでいえば仕方のない面もあるが、デメリットも多い。
●日本は政府の「要請」1つで上場企業に数千億円規模の損害を与えることができる国であることを世界に印象付けてしまった。
→海外から見れば日本株は危なくて買えない。例えば明日にでも、ドコモやソフトバンクに全基地局の耐震強化を「要請」できてしまう。
●明文化されていない「空気」で物事が決まる悪い癖が出た
→かつては特攻隊も自主的な志願で編成されましたしね。
この調子でいくと、今回と同じ論法で、3年後くらいに「国家財政が危機であるから、年金制度維持のため無利子国債を購入するよう金融機関に要請する」という話が出ても全くおかしくない。さらに進んで、保有している国債の放棄まで求められるかもしれない。こうやってわけのわからないルールのもと現状がダラダラと続くのは本当にイヤだ。
個人的希望としては、僕が仕事で稼げるうちに一旦経済が破局して、子供が成人する頃には新しい時代に切り替わっているというものなのだが、これはちょっと遠のいたと思われる。いざとなれば家族で海外に逃亡できる準備はしておいたほうがいいかもしれない。幸い僕の仕事はインターネット接続さえあれば世界のどこでもできるからね...
あと遅ればせながら最近twitterはじめました。アカウントは okapi_13 ですが、基本的には相場がらみのことを書き殴ります。
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コメント
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電力会社は建前上は私企業であり営利企業であるわけですが、
実態は国策企業であることは議論の余地は無いでしょう。
一般の上場企業と同列に語るのは無理があります。
水道局などのインフラは国が全権限を持っているのに対し、実質国策である電力インフラの権限が建前上は存在しないことのほうが問題です。
問題だというのなら、電力を完全自由化し、原発に税金を注ぎ込むのを止めてからでないと説得力が無いですね。
投稿: umikaoru | 2011.05.10 15:17
岡島さん
はじめまして。moneyzineを見て此処に来ました。
原則論というか、原理からいけば岡島さんのおっしゃる
通りですが、日本はそういう明確さとかシンプルさより
曖昧さ、例外論、感情論で動く国ですし、そうした
インフォーマルなやり方が好きな国民性もあるんでしょう。とはいえ、予想とは裏腹に日本株は右肩上がりですけどね。まったく相場は運次第というか。。。。
投稿: T | 2011.05.11 10:45
いつも拝見させていただいております。
また本記事引用させていただきました。
岡嶋さんの危惧、私も感じていました。
日本人の良さでもあるのですが、リスクの方が大きい気がします。
投稿: トミー | 2011.05.22 01:37
こと原発に関して言えば、原発のある自治体に国から相当な補助金を払って電力会社を支援しているわけですから、これぐらいのごり押しは仕方ないかと。
投稿: m | 2011.06.03 22:07
確かに、法による統治とは違うことに、怖さを感じます。
投稿: NLP | 2011.06.05 08:30