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2011.06.07

なぜ優秀なプログラマは人を雇わないか (2)

 図らずも注目を浴びてしまいましたねー。前回のを書いたときの自己査定では、「はてブ」の数で100行けば多い方かな、というところだったのですが、400弱まできました。このブログでも史上2位です。
 いくつか書き足らないところ、コメントを見て気づいたところ、等があるので補足します。

●そもそも会社を大きくしようと思っていない
 初めて仕事でソフトウェアを書くようになったのが19歳(15年前)なので、これまでの経験で自分が経営者向きでないことはよくわかっている。単に資質的に向いていないだけでなく、過去のサラリーマン時代に経営者としての苦労を垣間見ているので、あれははっきりやりたくないと感じる。脇で見ているだけでもそう思うのだから、実際にやったらどれほどのものか。
 いくつか指摘があったとおり、「大きな組織でないと作れない製品がある」というのはそのとおり。だが、そうすると製品ではあっても作品ではなくなってしまうのでイヤなのである。自分の作品を世に出す、ことを僕は重視しているので、姿勢としては漫画家や映画監督に近い。

●人月仕事はしていない
 ここ数年は、いわゆる受注の仕事はしていません。基本的には我々の著作物であるソフトウェアをライセンスするビジネスなので、理論的には収入は青天井。だが、世の中には仕事のエネルギー保存則みたいなのがあって、かかった労力に対して極端に大きな売り上げを得るのは困難なのです。仮にそうなれそうでも、儲けすぎると罪悪感みたいなのが出てきて、頼まれてもいないのに値引きしそうです。

●現状がわりと居心地良い
 別にこの話は、「会社を大きくしたいけど道筋が難しいなあ」と悩んでる話ではありません。
 サラリーマンをやめてからは6年ちょっと経つけど、今は当時の数倍の収入を半分の仕事時間で得ている(ソフトウェア業界にいながら、毎日18:30に家族と夕食をとっているのは珍しいはずです)ので満足度は高いのです。周りのデキるプログラマにもこういう路線は多い。
 ところが、外部資本を入れて上場目指して...という話になると「永遠に」規模の拡大を目指さなければならず、つらい。

●GREE等について
 昔ながらのゲームを愛する一人としてもともと気に入らない、というのがあった。せっかくユーザ基盤と資金があるんだから、失敗のリスクを冒しても独創的なゲームを作ることにチャレンジすればいいのに、既存のゲームのキャラクターだけ取り換えた安い作りのゲームを出しているのが気に食わない。少しは任天堂やセガやカプコンを見習ってほしい。

●で、これからどうすんの?
 基本は、大きなストレスのたまらない範囲で地道にやっていき、無理な拡大はしないことになるだろうが、「もっと大きな会社に丸ごと売却する」というExitはありうる。その場合僕は、これまで自分でやってきたことを買ってくれた会社の内部に統合をする責任は最後まで果たすが、そのあとはたぶんまた独立して、まったく別のソフトウェアをイチから始めるのではないかと思う。

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コメント

好きな事をする・嫌な事をしないってだけでしょ。
羨ましいね。

まさに羨ましすです。
もう、前世の行いがよかったとしかいえないです。
羨ましいだけじゃなく、自分の幸せを見つけ出したいです。
しかし、ゲームに関してはエネルギー保存則を突破するエネルギーがあると信じているんです。オカルトといわれても。各プレイヤーの魂の共振が新たな世界を誕生させる、という風な感じに。

この記事気に入りました!

>セガやカプコン
今のセガとカプコンはもう抜け殻だと思ってしまいます

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